良く知ることから始まるダイオキシン対策
良く知ることから始まる
ダイオキシン対策




1.ダイオキシンって何?
2.どんな毒性があるの?
3.どうしてできるの?
4.どのように環境へ広がるの?
5.どのように人の体へ入るの?
6.安全を守る基準は、どうなっているの?
7.組合の取り組みは、どうなっているの?
8.住民にできること、また、していただきたいこと
9.日本のダイオキシン問題

ダイオキシン情報関連サイト  http://www.nihs.go.jp/hse/chemical/dioxin.html


ダイオキシンって何?

 性質の似た有機塩素化合物を総称して「ダイオキシン類」あるいは「ダイオキシン」とよんでいます。毒性が強いことから環境汚染が大きな問題になっています。「ダイオキシン類」には、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)75種類とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)135種類の異性体があります。
 また、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)という物質も、よく似た性質をもっていることから、環境保全の面からは、それも含めて「ダイオキシン類」とよばれており、各種の対策もとられています。
化学的に安定しており、水に溶けにくく、油に溶けやすい性質をもっています。環境中に放出されると大気による拡散以外はほかへあまり移動しません。


2個のベンゼン環(6っつの炭素が正六角形に結合したもの)からなるジベンゾジオキシンジベンゾフラン(これらをダイオキシンの「骨格物質」といいます。)を基本に1〜4と6〜9の位置に塩素がついたものをダイオキシンといいます。


コプラナーポリ塩化ビフェニルも、ベンゼン環2個をつなげた基本構造に、2、2’、6、6’の位置に塩素が0〜2個ついたものです。
TEQ(毒性等量):ダイオキシンは、種類が多く、それぞれ毒性の強さが異なるため一律に評価することができません。そのため、それぞれの毒性を2.3.7.8-TCDD(四塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシン : ダイオキシン類で最も毒性が強い)に換算し、それらを全部足したものが毒性等量(TEQ)として広く用いられています。

<よくでてくる単位>
単位 読み方 意 味
ng ナノグラム 10億分の1グラム
pg ピコグラム 1兆分の1グラム



どんな毒性があるの?

1.非常に強い急性毒性
最も毒性の強い2.3.7.8-TCDDは、青酸カリの約1万倍の毒性があるといわれています。そのため、人類がつくりだした「史上最強の毒物」といわれることもあります。
2.発ガン性WHO(世界保険機構)の国際ガン研究機関は、2.3.7.8-TCDDは、人に対して発ガン性があるとしています。
動物実験に基づき摂取しても発ガン性について無作用なレベルとして、1日に体重1キログラム当り、1,000ピコグラムというのが世界的な基準となっています。
3.内分泌かく乱性(環境ホルモン)動物実験でダイオキシンは、正常なホルモン作用をかく乱し、生殖器官が小さくなったり、免疫機能が低下したりするということが報告されています。

どうしてできるの?

燃焼で発生するダイオキシン

●都市ごみ焼却場

      <かっての焼却場>

都市ごみには、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデンをはじめ、塩素を含んだごみが大量に含まれています。これらを燃やすとダイオキシンの生成を助ける塩素が発生します。これが、ダイオキシンの前駆体(クロロフェノール、クロロベンゼンなど)と結びついてダイオキシンが合成されるのです。
ダイオキシンは、300〜400℃で最も発生しやすいといわれています。大型の焼却炉では、高温で連続的にごみが燃やしつづけられていますので、たとえダイオキシンが発生したとしてもそのほとんどが分解されてしまいます。では、どうしてダイオキシンができるのでしょう。問題は、排ガス(煙)からばいじんを取り除いてきれいにするためにつけられている集じん機にあります。古いタイプの集じん機は、中の温度が300〜400℃となるものが多かったのです。

      <最近の焼却場>
(東金市外三市町環境クリーンセンターなど)

ですから、私達の組合のものもそうですが、新しい集じん機は、温度を急激に200℃以下まで下げるようになっています。これでダイオキシンの発生が大幅に抑えられ、さらにフィルターをとおすことによって細かな塵に付着したダイオキシンを取り除くようになっています。
また、焼却炉内の温度も850℃以上で運転されるようになっています。
このように最近のごみ焼却施設では、炉と集じん機のいずれにおいてもダイオキシンの発生を抑えることができます。

●産業廃棄物処理施設
企業などから出される産業廃棄物焼却によってもダイオキシンは、発生します。産業廃棄物処理施設は、都市ごみ焼却炉と比較して規模が小さくダイオキシン削減が難しい傾向にあります。●その他の小型焼却炉
かっては、学校や家庭に小型の焼却炉があって相当量のごみがそこで焼却されていました。こうした焼却炉は、ダイオキシン対策は考慮されておらず、ダイオキシンの発生防止には無力でした。学校での焼却は中止され、家庭での焼却もほとんどみられなくなりましたが、小規模な事業所などでは、ごみ処理費用を節約するため、未だにこのような焼却炉が利用されているケースも多いようです。

製鋼や焼結などの金属工業で発生するダイオキシン

製鋼用電気炉や鉄の焼結工程など、ダイオキシンの生成に適した温度の工程や粉じん処理を伴う工場からもダイオキシンは、発生します。
ダイオキシン類の発生源別排出量(g-TEQ/年)
発生源 排出量
平成9年 平成10年
一般廃棄物焼却施設 4,320 1,340
産業廃棄物焼却施設 1,300 960
未規制小型焼却炉(事業所) 325〜345 325〜345
火葬場 1.8〜3.8 1.8〜3.8
製鋼用電気炉 187 114.7
鉄鋼業 焼結工程 118.8 100.2
亜鉛回収業 34.0 16.4
アルミニウム合金製造業 15.7 14.3
たばこの煙 0.075〜13.2 0.079〜13.9
自動車排出ガス 2.14 2.14
その他 約26 約26
合計 6,330〜6,370 2,900〜2,940


塩素系漂白剤でも生成される?

次亜塩素酸ナトリウムなど塩素系漂白剤は、一般の家庭でも工場でもいたる所で使用されています。これも塩素を発生させますので、漂白の工程でダイオキシンが生成されます。家庭でも容易にダイオキシンが生成されます。例えば、茶渋を塩素系漂白剤できれいにしようとしたときに酸性のもの(レモンや酢など)が混じればダイオキシンが生成されてしまうのです。

タバコや自動車の排ガスは?

私達のごく身近にあるタバコからもダイオキシンが発生するといわれています。
紙巻タバコの紙などの中に残っている塩素がダイオキシンの原因物質になっていると考えられています。タバコの燃焼温度は約600℃といわれていますが、火から少し離れた部分は300〜400℃になっているのです。
外国では、自動車の排気ガスからもダイオキシンが発生しているとの報告がありますが、無鉛ガソリンを使用している我国では、有鉛ガソリン( 四塩化鉛が含まれている)を使用している緒外国よりもダイオキシン発生は少ないと思われます。
但し、自動車の排気ガス、特にディーゼル車の排気ガスに含まれている浮遊粒子状物質は肺ガンを引き起こし、ベンゼンは白血病の原因になるとも言われ、窒素酸化物は呼吸器系への影響が指摘されています。 これは、実はダイオキシンよりも身近な有害物質の発生源なのです。

どのように環境へ広がるの?

ダイオキシンは、主に焼却施設などで発生し、大気中に出ていきます。微粒子などに付着したダイオキシンは、大気中を浮遊拡散し、時間の経過とともに地上に落下してきます。極めて水に溶けにくいため、雨がふっても地下にはあまり浸透しないで土の表面に安定・蓄積されます。
しかし、雨などで表面の土が川や海に流されることでダイオキシンも川や海に流れだします。海に流れ出したダイオキシンは、微粒子に付着した形になっているため、そう遠くまでは流れていきません。
流れ出したダイオキシンは、プランクトンなどに取り込まれ、さらに食物連鎖を通じて、広がっていきます。

どのように人の体へ入るの?

大気や土壌・海などに広がったダイオキシンは、呼吸や食品を通じて人の体内に取り込まれていきます。
ダイオキシンは、脂肪に溶けやすい性質があるため、脂肪分の多い魚介類、肉、卵などに含まれやすくなっています。
野菜・果物や穀物については、ダイオキシンが根から吸収・濃縮されることはないと考えられていますが、大気中または土壌中から付着することについては考慮に入れる必要があります。しかし、これも洗い流すことができるので野菜・果物や穀物から取り込まれるダイオキシンは、極々わずかと考えられます。

なお、厚生省では、最新の統計データをもとに一般的なダイオキシンの摂取量として
食品から2.00pg/kg/日
大気から0.07pg/kg/日
土壌から0.0084pg/kg/日

さらに特にダイオキシンを摂取しやすい環境の人の場合、安全側にたって最大限の影響を考慮しても

食品から0〜0.48pg/kg/日
大気から0.12pg/kg/日

と推計しており、

合計 2.20〜2.68pg/kg/日と見こまれることから、通常の食生活では、特に問題ないとしています。

母乳は、母親の脂肪からつくられるため、母親の体内の脂肪に蓄積したダイオキシンが母乳に濃縮されるのではないかと懸念されています。実際、母乳にダイオキシンが含まれていることも確認されていますが、赤ちゃんの摂取する量は、ごく微量であり、一方、母乳には必要な栄養分のほか病気に対する免疫成分も含まれていますし、精神的発達にしめる役割もありますので、ダイオキシン問題が母乳の重要性を低くするものではないということで、WHOと厚生省も引き続き母乳を推進しています。

安全を守る基準は、どうなっているの?

WHO(世界保健機構)では、最近の研究成果をもとに、ダイオキシンに似た性質を持つコプラナーPCBを含めて、人が一生の間に取りつづけても許容される量(耐容1日摂取量といいます。)として、当面の目標を4pg-TEQ/1日/1kg、最終的な目標を1pg-TEQ/1日/1kgと定めています。我が国でも同様に当面の目標を4pg-TEQ/1日/1kgと定めて、様々な基準がつくられています。

ダイオキシン類の環境基準と排出基準
環境基準(単位:pg)
大気(1立方メートル当り) 0.6
水質(1リットル当り) 1
土壌(1グラム当り) 1000
排ガス基準(単位:ng、1立方メートル当り)
対象施設 新設 既設 暫定値
廃棄物焼却炉(4t/時以上) 0.1 1 80
廃棄物焼却炉(2〜4t/時) 1 5 80
廃棄物焼却炉(50kg〜2t/時) 5 10 80
製鋼用電気炉 0.5 5 20
鉄鋼業焼結 0.1 1 2
亜鉛回収 1 10 40
アルミニウム合金製造 1 5 20
排水基準(単位:pg、1リットル当り)
対象施設 新設 既設 暫定値
紙パルプ製造 10 10
アルミニウム製品製造 10 10 20
塩化ビニール製造 10 10 20
一般・産廃焼却 10 10 50
PCB分解 10
PCB汚染洗浄 10
上記事業所の排水処理 10 10
下水道終末処理 10 10
廃棄物最終処分場 10 10
 排ガス・排水の基準は新設が2000年1月、既設は2001年1月から適用。
暫定値が設けられた既設の施設は、排ガスで(1年間の猶予期間の後)2002年11月まで、
排水は、2003年1月まで暫定値を適用する。



組合の取り組みは、どうなっているの?

東金市外三市町清掃組合では、いち早くダイオキシン問題に取り組んできました。
排ガス中のダイオキシン測定については、平成3年から実施しており、特にダイオキシンに留意した焼却施設の運転、維持、管理を行ってまいりました。
さらに、現在の焼却施設(環境クリーンセンター:平成10年稼動開始)には、次のようなダイオキシン削減のための工夫がされています。

●安定した燃焼の連続できる炉形式の採用:ストーカ式焼却炉
●炉内全体を満遍なく高温にできる炉形状の採用:炉内部へのノーズ設置
●排ガスの高温状態の一定時間持続できる炉形状の採用:炉出口部の延長
●排ガスの急速な冷却の実施:排ガス冷却室と熱交換器の併用
●微細な粉じんも逃さない集塵機の採用:バグフィルター
●可能な限りの焼却炉連続運転の実施

これらによって、 規制値(5ng-TEQ/Nm3)をも大幅に下回る0.2ng-TEQ/Nm3前後を保っています。今後もさらに、排出量の削減を図るべく、施設の運転管理体制のの改善を図ってまいります。

また、環境クリーンセンターでは、雨水をはじめ、場内で発生するあらゆる排水を炉や排ガスの冷却用に消費するので、場外への排水は全く生じないシステム(クローズドシステムとなっています。

なお、焼却灰にも微量ながらダイオキシンが含まれていますが、当組合では、焼却灰を溶融処理(溶融スラグ化)しており、これによって、ほとんどのダイオキシンは分解されてしまうことから、最終処分(埋立)に係るダイオキシン対策も非常に高水準のものとなっています。

加えて、安全確認のために周辺環境のダイオキシン濃度についても測定・分析をして、一般に公開してまいります。

住民にできること、また、していただきたいこと

資源の有効利用とごみの減量化=『3R』商品の過剰包装を避ける。買い物には、できるだけ買い物袋を持参する。

洗剤やシャンプーなどは中身を詰め替えて容器を有効に使う。

ペットボトルやトレーなどは、お店の店頭回収、古新聞、古雑誌、ダンボールなどは、地域の集団回収や市・町のリサイクルボックスを積極的に利用する。

食材は、無駄なく使う(エコクッキング)。

生ごみの量を減らす。捨てる場合は、水を切ってから捨てる。
  ※市や町では、生ごみの肥料化容器・処理機の購入費の一部を補助しています。

小型焼却炉の使用自粛どうしても焼却の必要なものは、十分な管理と排ガス処理などダイオキシン対策の整っている環境クリーンセンターで焼却しますので「可燃ごみ」として、おだしください。

日本のダイオキシン問題

ダイオキシン情報関連サイト  http://www.nihs.go.jp/hse/chemical/dioxin.html

主な出来事
昭和58年 都市ごみ焼却施設の焼却灰及び飛灰からダイオキシンが検出される。
昭和59年 厚生省が、専門家会議を開催。
平成2年 製紙工場排水のダイオキシンが問題になる。
ごみ焼却施設のダイオキシンについてマスコミ報道。
厚生省は、「ダイオキシン発生防止対策等ガイドライン」を作成。
平成3年 環境庁が、全国紙パルプ工場のダイオキシン緊急調査実施。
平成6年 茨城県新利根町ごみ焼却炉付近の土壌からダイオキシン検出。
平成7年 香川県豊島の廃棄物処分場の土壌からダイオキシン検出。
平成8年 JRA栗東トレーニングセンター排水中からダイオキシン検出。
厚生省、全国ごみ焼却場のダイオキシン調査を実施。
平成9年 厚生省、「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン(新ガイドライン)」を作成。
平成10年 大阪府豊能群美化センター周辺土壌から高濃度のダイオキシン検出。
平成11年 埼玉県所沢の農作物に係るダイオキシン問題がテレビ報道され、大きな問題となる。
ダイオキシン対策関係閣僚会議が設置される。
ダイオキシン類対策特別措置法が制定される。


ダイオキシン情報関連サイト  http://www.nihs.go.jp/hse/chemical/dioxin.html


ストーカ式焼却炉:乾燥ストーカ、燃焼ストーカ、後燃焼ストーカなど多段階の火格子が、階段状に置かれ、それらが、動きながらごみを徐々に押し出し連続的に燃焼させる炉形式。大型の連続燃焼炉に適する。大型炉の連続燃焼は、安定した燃焼を持続できるため、ダイオキシンの発生が抑制される。
炉内部へのノーズ設置:
焼却炉から炉出口にかけて、大きな凸状部を設けて、完全燃焼を促進するとともに炉内全体を満遍なく高温にする仕組み。完全燃焼は、ダイオキシンの発生を抑制する。
炉出口部の延長:
炉出口部分(排ガス冷却室手前)の部分を延長し、排ガスの高温状態(850℃以上)を最低でも2秒以上持続する工夫。これにより、仮にダイオキシンが発生してもその存在が困難なものになる。
排ガス冷却室と熱交換器の併用:
水を噴霧する排ガス冷却室と燃焼用空気の予熱等のための熱交換器を併用し、排ガス温度を一気に200℃以下に下げる仕組み。これにより、排ガス中で再び発生しようとするダイオキシン発生を抑えることができる。
バグフィルター:
排ガス中のばいじんを除去するために円筒型の濾布をならべた集じん装置。200℃以下まで温度を下げて集じんすることができ、加えてフィルターを通すことによって、細かな微粒子についたダイオキシンまで取り除くことができる。ダイオキシン対策には、最も効果的な集じん装置といわれる。
クローズドシステム:
施設内で発生する排水は、排水処理装置で処理し、排ガス冷却水として再利用する。汚水は、外部へ放流しないシステム。



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